3月26日、東京では桜の開花宣言が出されました。群馬でも、そろそろそんな話が聞けそうです。
今年は記録的大雪もあったりで暖かくなるのが少し遅れたせいなのか、今頃になって花粉症の症状が出てきた生徒達が多いです。
数年前より花粉症で悩んでる方が少なくなったような気がするのは私だけでしょうか。良い治療方法や良い薬のおかげなんでしょうか。
今回の登場の主人公は4月から中学3年生のT君。
今から6年ほど前、都内から桐生に引っ越してきたT君の家族。すでに都内でピアノを習っていたT君のお兄ちゃんが、桐生でのピアノ教室を探していて、私の教室の体験レッスンを受けに来ました。その時にお母さんと一緒に付き添いで来ていた小学生T君。
お兄ちゃんが入門して1年3か月が過ぎたころ、お母さんからT君もピアノを習わせたいとの申し出がありました。ところがT君…… 『僕はピアノは弾きたいけど、発表会には絶対に出たくない!!』と発表会断固拒否宣言…「わかりました、それでいいです。人は色々な個性があるから大丈夫ですよ」と私は了承。
T君が入門して2回の発表会がありましたが、どんなに口説いても? T君は宣言を取り消してはくれませんでした(笑)。
そして4年半が経ち「将来は薬剤師になるんだ」中1の時に少し怠けていた勉強を取り戻すために…「ピアノ弾くのは好きだけど、もっと勉強をしたい…」と固い決意を。
別れの季節、そんなT君の最後のレッスンの時が。
私の教室の最後のレッスンは、ピアノを習わせてくれた両親に感謝をするための《ミニコンサート》を教室でするという慣例があります。そして、お母さんしか聴きに来られないと思っていたら、忙しい仕事の合間にお父さんまで来てくれました。しかもビデオを持って。
それを見たT君、照れ臭そうに「あり得ない」の一言(笑)
どうやら家ではサイレントにして練習、絶対に親兄弟には聞かせなかったらしい。その為か、初めて両親の前での演奏(しかもビデオ撮影付)かなり動揺して緊張していたT君でしたが…最後までしっかりと演奏をする事が出来ました。
お父さんお母さんからの温かな拍手。照れながらも今まで見たことのない嬉しそうな顔のT君。最後にそんなT君の笑顔を見る事ができ、私も嬉しかったです。教師冥利に尽きる瞬間でした。数々の出会いと別れ…そんな季節のひとコマでした。
そしてT君が帰った後、何気なく見た『お教室ノート』にT君からのメッセージが…「今日が最後のレッスン、今までありがとうございました」何よりも嬉しい一言に胸が熱くなりました。
T君、これから夢に向かって頑張ってくださいね。