梅雨明け十日…。それにしても、この連日の猛暑にはお手上げです。
ピアニストは普段ほとんどエアコンが効いてるスタジオやステージでお仕事が普通。
移動中や買い物で外へ出かけることは、「穴倉族」の私にとっては、とてもきついです。
この猛暑は身体に応えます。日焼けもしたくないですね…。皆さんも熱中症にはくれぐれも気を付けてくださいね。
さて、今日はシリーズ最終回です。
「なっちゃん」は念願のグランドピアノを買ってもらえることになりました。
私の先生がカワイ関係の教室だったので、最寄りのカワイ楽器で買うことに。これが、ヤマハの関係だったら、今頃はヤマハのグランドピアノだったのかな?(笑)
最寄りのカワイ楽器で買うと言っても、一番親しかった、調律師の方の勧めもあってカワイのお店に展示してあったグランドピアノではなく、静岡県浜松市にある工場までグランドピアノを選びに行くということになりました。
今思えば、静岡県民で良かった~。通常では中々工場まで行って選ぶなんてことはできませんよね。
日を改め、調律師の方と先生とお母さんと一緒に浜松市の工場までグランドピアノを選びに行きました。
先ずは、工場見学、ピアノが出来るまでの工程や音を出す過程まで色々と見学しました。
そして、いよいよ、グランドピアノ選びです。大きな倉庫風のフロアーに様々なピアノが30台くらいかな~…?とにかく沢山出来上がったばかりのピアノが並んでいました。そこで、私が買ってもらえる値段とちょうど良い大きさのグランドピアノを6台ほど絞り込みました。それを、片っ端から試奏し始めました。
その中から最後の2台まで絞り込んだのは割と早かったのですが、その2台をどちらかに絞り込むのにはかなり時間が掛かったような気がしました。かれこれ1時間くらい、先生、調律師の方の意見も聞きながら、私はようやく1台に絞り込みました。それが、今でも大切に使っているグランドピアノです。
その時、しっかりと製造番号までひかえて、家に届いたものが間違えないかも念入りにチェックしました。せっかく沢山の中から選んだのに、型番は同じで運送上違うものが来てしまう間違えもあるのでこの辺はしっかりとしました。
それから2.3週間が過ぎて待望のグランドピアノが無事家に到着する日がきました。
以前にお話しした、アップライトピアノの時の様に、これと言ってサプライズはなかったですが、学校にいる時も「今日は帰ったら私のグランドピアノが来てるんだ~」っとウキウキし早く帰りたいな~の気持ちでいっぱいでした。
急いで家に帰ると、そこには夢にまで見たグランドピアノが光輝いていました!そして、いつだれが決めたのか、ピアノの下には赤い絨毯が敷かれていました(笑)しかもかなり上等な絨毯でした。たぶん凝り性なお母さんの仕業か?(笑)赤の絨毯と漆黒のグランドピアノのコントラストが今でも思い出深く記憶に残っています。
初弾きはショパンのワルツの7番を弾きました。選び抜いた音に感激、自分の選んだ音だから更に感激しました。
そうそう、その日から、私が学校に行ってる間に誰かに弾かれないか心配で、毎日鍵をかけて、その鍵をピンクの毛糸で結びつけ、首からかけていつでも持っていました。そんなことが小学校を卒業するまで続いていました。
あれから、20数年…その鍵は今でもその時のピンクの毛糸にぶら下がり、今の私の教室にかかっています。それを見る度に、その頃を思い出して頑張れます。
どんなに大変なことがあってもそれを見れば頑張れるのです。
その当時のお母さん、お父さん、そして先生の事を思い出しては、大曲に挑むときや忙しくて自分を見失ってしまいそうになる時、そんな私の昔の時を思い、明日へと進んでいけるのです。
そして、今でもそのグランドピアノは教室で大切に弾いています。これからも、ずっとずっとそんなみんなの気持ちのこもったピアノを弾いてゆきたいと思います。
追伸: 実は大学時代にアパート暮らしをしてる時、もう1台新しいピアノを買ってもらいました。そのピアノは卒業と同時に次に入る後輩に譲りました。このピアノは学生時代に一生懸命無我夢中に練習した思い出のグランドピアノとして忘れてはなりません。
以上で楽器(ピアノ)のグレードアップのタイミング?は終わります。ありがとうございました。